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Winner【サイバーフォーミュラ・加賀】

第25章 加賀の決断


相変わらずAOIとスゴウは隣のガレージ。朝イチでハヤトとあすか、そしてその少し後ろにアンリと雅が自身のガレージに向かっていた時だった。

「ねぇ雅?あれって…」
「え…、か、がさん?」

アンリが雅に声をかけるのとほぼ同時にハヤトが加賀の髪に気づいた。

「…どうしたんですか?!その…頭!」
「ん?ま、決意表明って感じかもな」
「そうですか…でも…僕も負けてられません」
「ん、」

小さく返事をすればすぐ後ろの雅に視線を向ける。少しだけ口元が緩み、まなざしも優しい物に変わった。しかしすぐにその視線は外れ、背中を見せて歩いて行ってしまった加賀を見つめてアンリははぁ…っとため息を吐いた。

「…てっきり別れたのかと思った。」
「なんでそうなるの」
「だってずっと会ってない、それでいて最後の最後で加賀、あんな風に髪切ったら別れたのかと思うでしょ」
「勝手に決めないで」
「知ってたって?」
「……知らなかったけど…」
「ほら」
「でも、最後のあれは、別れてはないでしょ」
「いちゃつくのやめてくれる?」
「…さっきのあれでどこどう見たらいちゃついてるのか聞きたいんですけど…」

途中のあすかの言葉もあったにも関わらず、アンリの猛攻にも似た冷やかしにどこか緊張していた雰囲気も少しだけ和らいだ。

「始まるぞ…」

マシンに乗り込んで、各車、オープニングランが始まる。スタートラインに着いた全台を見て雅は祈る気持ちでマシンを見つめていた。
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