第6章 《2章》ロシナンテ編/1話3P/未配信
〈第2章 ロシナンテ落ち編〉
【01 私が助けられる命】1(1/2)/3P
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「……ここは天国か?…さっきの天使?……女神?」
ベッドで寝ていた彼が目を覚まして、なにやらブツブツと言っていたので、気づいた私は机から移動してベッド横に行く。
「おはようございます」
「……女神!?」
「あっ!ちがいますちがいます。わたしはただの『ちゆのうりょくのあったファン』です」
「へ?」
「いや、あの………」
一応[妄想癖]や[キチガイ]扱いされるのを踏まえて、信じてもらえないことを前提に話してみる。
「─────それで、かんがえてみたら[コラソンしぼうじき]と[ミニオンとう]がちかかったんです」
「………………………」
「あの………しんじなくていいです」
「………おれ………生きてんだな。あ、おれの『ファン』なら本名とか分かるか?秘密も」
「はい。えっと………[ドンキホーテ・ロシナンテ]は[てんりゅうびと]うまれの[かいぐん]そだちで、あにの[かいぞくだん]でスパイをしてた。それで《ナギナギ》の《のうりょくしゃ》……」
そう言われたので指折り数えながら、彼が[秘密]にしていることも思い出して並べた。
私が淡々と話すと、ゴクリと息を飲んだコラソンは『お手上げ』のポーズで言葉を紡ぐ。
「………全部、正解だ。………信じるよ。お前が[遺伝子操作]で[治癒能力]のある『ヴィンスモーク・ロクジュ』なコトも。それで前世の記憶があるコトも。おれは………本当は死んでたコトも………」
「えっ!?いいんですかっ!?ただのストーカーかもしれませんよっ!?」
「こんなガキが?お前いくつだよ。言ってねェ産まれる前のことまで知ってたからなぁ」
柔らかく笑うコラソンは優しい顔をしている。
サンジのそれを久しく拝めなくなって、最近は『冷たいイヤミ』がふつうになっていた私は、その『信じる』と言われたことも相まって初対面の人の前で泣いてしまう。
(こ、子供だから許して………)
『優しい人を生かせてよかった』と、ただ漠然にそう思った。