第10章 ねむる レリル
チチチ
「·····」
「すぅ··すぅ···」
チラッ
(血は、ついてない)
チラッ
(隣の部屋から来たのか)
って
(なんで隣で寝てるー?!レリルさん!?)
子犬ではない
懐かない野良猫だと私は考えたのであった
✿✿✿
(目が覚めたら✿が俺を抱きしめて寝ている)
何故名前だけしか知らない人間などに母のような事をするのか不思議だった
「母か···ソリンディスとは違う"母"」
だが心做しか俺は求めていた。
閉められたドアの中でひとり残された瞬間襲い来る感情
何とも言えない気持ちになった
こんなのはソリンディスと別れたあの日のように
『レリル、いい所にいた。今王宮が··』