第3章 1。
「「だってさあ」」
「はいはい、文句は聞き飽きました。息が合うほど仲が良いのは素晴らしいことだけど、そういったことはもう少し別の場面で活かしてください」
俺たちは叱る声を聞き、謝る前に二人でその声の主である母さんに視線を向け、不満そうな表情を浮かべた。
母さんの言う通り、俺たちは一つのことに夢中になると、周りが見えなくなってしまう。ルアは本に没頭し、俺はただ空を見上げている。
一見、他人から見れば退屈そうに思えるかもしれないが、俺たちにとってはお互いに気を使う必要がなく、それぞれが思い思いの時間を過ごせるこの瞬間が何よりも安心できて好きだ。この時間を苦痛に感じたことは一度もなく、これが俺たちの日常なのだ。
すると、「まったく…」と言いながら、母さんは俺たちを呆れた様子で注意しつつ、杖を突きながらゆっくりと庭に入ってきた。
その姿を見たルアは素早く立ち上がり、実の息子よりも先に体を支えてあげている。母さんは微笑みながらルアに「ありがとう」と言い、上体を起こしたまま、動こうとしない俺を見つめて近寄ると、表情を和らげて微笑んだ。
「暇なんでしょう?それなら、いつものお願いをしてもいい?」
「え、もう紅茶の茶葉がないの?この間買ってきたばかりなのに?安くないんだよ?」
「そう言わないで。これが母さんの楽しみなの。お願い」
俺が眉をひそめると、母さんは「この脚じゃね」と言いながら自分の片脚をさすり、苦笑いを浮かべた。
俺はその言葉を聞いて何も言い返せず、苦笑いを浮かべる母さんを見つめていた。ルアも何も言わずに、俺たちの様子を伺っていた。
母さんは昔から片脚が不自由で、思うように動けない。自分の手でできることは、必要最低限の身の回りのことだけだ。
俺たちもそれを理解しているので、できる限りのことをしてあげたいし、手伝いたいと思っている。
本当は、母さんが一番自由に動きたいと思っていることは理解している。
俺自身、毎日変わり映えのしない生活に辟易しているにもかかわらず、母さんは体の不自由さを受け入れ、何年もその生活を続けている。幼いながらも、俺は毎日母さんのたくましさに感心していた。
「お願い…」
母さんは眉をひそめ、切ない表情を浮かべながら懇願するようにそう言い、俺の顔をまっすぐ見つめた。