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空を見上げた。

第17章 15。



「……」

俺はトロスト区にある調査兵団本部のエルヴィンの執務室の窓から青い空を見上げていた。そして、一度手に持っている二つ折りの紙をじっと見つめた。その後、再び窓の外に視線を移し、大きく深呼吸を繰り返した。すると、自然と紙を持っている指先に力が入り、紙に皺が寄った。

ハンジからこの紙を受け取って以来、幻覚でも嘘でも夢でもなく、現実であることを何度も再確認してきたのだ。暇を見つけては何度も読み返していたため、すっかりその家の住所を覚えてしまった。

俺は窓の外を眺めながら、目を閉じて心の中での姿を思い描いていた。ハンジは「元気だった」と言っていた。その言葉に嘘はないだろう。しかし、自分の目で確かめるまでは、何も安心できない。

「…リヴァイ…」

ふと、エルヴィンに名前を呼ばれ、閉じていたまぶたをゆっくりと開けた。そして、視線を向けると、席を外していたエルヴィンは無表情のまま執務室に入ってきた。

後ろ手でドアを閉め、窓際に立って動かない俺のそばに、静かにゆっくりと近寄り、隣に並んだ。

「行くのか?足の状態は大丈夫か?」
「ああ、問題ない」

俺たちは二人並んで短い言葉を交わし、窓の外の青空を見上げた。そして一度、念のために負傷していた片足を動かしてみたが、問題なく動き、痛みも感じなかった。そう…何も問題はない…そのはずなのに、なぜか、心の中には表現しがたい感情を抱えていた。

「…エルヴィン…」

俺は無意識にエルヴィンの名前を呼び、窓の外に向けていた視線を一度、手に持っている紙に移し、小さく息を吐いた。

「なんだ」

すると、エルヴィンは短く返事をしたが、それ以上何も口にしなかった。

「この先のことを考えると、会いに行かない方が良いんじゃねぇか?」

俺は柄にもなくそう言い、住所が書かれた紙を見つめた。

実際、「この先、手放す気はない。できる限り幸せにする」と言っておきながら、それを実行できるかどうかは確証がなく不明である。むしろ、それは単なる妄想や絵空事に過ぎない可能性が高いと感じている。

それでも、これまで何年も経験してきた「思考と心は比例しない」ということを、今、強く実感している。

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