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ツンデレ王子と腹黒王子

第4章 初めて


衝撃の事実。

おばあさんいわく、電車は通るが止まらないらしい。

まさか、そんな。

あいつはこの事知ってたのか?

奴の顔を思い出す。

絶対知ってたな。

俺はため息をついた。


「すみません」

「あ、はい!」


そして、俺は何をやっているのかと言うと。

おばあさんは田んぼ以外に店も出しているようで、俺はその店番を手伝っている。


「おや、見かけない顔だね」


おじいさんが俺をまじまじと見る。


「えっと、道に迷ってしまって、おばあさんに助けてもらったんです」

「ほほぉ、そうかそうか。カヨさんはいい人だねぇ」


カヨさんって言うんだ。

俺はおじいさんからお金をもらい、商品を渡した。


「ありがとうございました」


仕事に一段落つき、俺は椅子に深々と座った。

そよそよと風が吹き、心地好い。


「お疲れ様、お茶でも飲みなさい」

「あ、すいません、ありがとうございます」


コップを受け取り、お茶を飲む。

美味しい麦茶だ。

このおばあさんが出すものは全部美味しい。

それに凄くいい人だし。


「貴夜くん、あっちで休んで来たら?疲れたでしょう」

「い、いえ、いいですよ」

「休むのも必要よ」


おばあさんにそう言われ、俺は大人しく居間で休むことにした。

ごろんと寝転がる。

疲れたな、何か。

そう思い緊張が解けたのか、段々瞼が重くなって来た。

そして目を瞑り、眠りについた。
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