第55章 涙
「まったく、何つうか……雅だねぇ」
「本当に……」
「でも…三蔵があんなこと言うとは…」
「俺だって許せねえけどさ!!」
「…どうでもいい…もうあの女の話はするな。胸クソ悪い…」
「……でもまぁ、雅がいてくれて良かったですね」
「だな!!」
そうして何をするでも無く、ようやく三蔵も食事を摂り、雅の回復を待つことにした。
三日後…
時おり八戒に気を送って貰い、食事もある程度しっかりと摂れるようになった雅。
「回復早えな」
「八戒のお陰だよ…毎日少しずつ気送ってくれたから……」
「そんなこと無いですよ。雅がイイコにしてるから、ですよ」
「いい子って……」
「おや?ご不満ですか?」
「…少し…」
「まぁ、そうは言っても雅がおとなしくしていてくれたからには間違いないのですが…?」
「……むぅ…」
そう話していた。そんな時だ。バタバタと走ってくる音がした。
バンッ!!
「雅!!」
「え?どうかした?悟空…」
「今…聞いたんだけど……!!」
「え、何を?」
そう、悟空が聞いたと言うのは怜音の処分についてだった。
「ちょっと!どう言うこと?」
「わかんねえけど!」
「雅、どうするつもりですか?」
「行ってくる」
「待ってください。それが得策ですか?」
「得とか損とか…そんなの関係ない!」
そういうと雅は悟空に頼んでその話を聞いた場所に向かっていった。八戒も着いていく。するとその場には悟浄と三蔵もいた。
「…やっぱり来たか…」
「三蔵!どう言うこと?」
「俺に聞くな。ここの街の人間じゃねえよ」
「…それで…」