第54章 あなたの愛で繋いで
そう話していた。部屋に戻るといつもの笑顔が雅を迎えてくれる。
「あ!雅!戻ってきた!!」
「思ったより遅かったな」
「うん、でも…」
「怜音ちゃん、何だって?」
「えっと……」
「なんだ」
「特に!四日の日まで楽しめたらいいですね…って!!」
「八戒……」
「僕は知りませんよ?お手洗い行ってて帰り際に会っただけですから?」
「……フン…じゃぁなんでひっぱたかれた跡があんだ」
「…?叩かれてないよ?」
「……ハァァ…もういい」
そういう三蔵の一言で締め括られた会話。小さく笑うと窓際に近付き、空を見上げた雅。
「今年ももう終わるね」
「そうだな」
「……まだこれからもみんなと一緒にいれたらいいな…」
「何いってんだよ。今夜妖怪に襲われて死ぬかも知れねえだろうが」
「クスクス…死なないよ」
「ほう?」
「みんな居るから…三蔵や悟空や悟浄が強いし、八戒のバリアもあるし、私も回復頑張る!だから大丈夫なんだよ」
「雅に力は求めてねえって再三言ってんだろうが」
「それでも、皆居るから。」
そういいながら雅は笑いかけていたのだった。