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【OP】Completed│ジェルマ妹

第1章 〈1章1話3P〉【01 02 03】


〈第1章 子供時代編〉【01 お先真っ暗】
〈01/10話│1(2/2)/3P│1400字〉
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「あー、ぶぶぶっ、!」

ミルクをお腹いっぱいに飲み終えたけれど、まだ生後だから喋ることも覚束ないので『せめてものお礼に』とできる限りに笑ってみたら、私達を撫でていてくれたソラさんが、口を押さえてボロボロと泣き出した。

(え……そんなにゴジはジェルマ人間なのか)


やっぱりここに産まれた私達も[血統因子]がいじられてるのかな。ゴジの髪色はブラック。黒髪だ。本当はサンジがなるはずだった色。

元日本人の私には見慣れている色だから違和感が全然無いけれど、日本人より鮮やかな綺麗な漆黒なのは、やっぱりなにかの[力]があるからだよね。ちなみに自分の髪色はまだ分からない。着せられている服は白系統。

私も[肉体操作]をされて産まれていなら、なんらかの[力]があると仮定して[感情操作]で人として大切ないくつかの感情が欠けているのだろうか。

でも現時点では前世の記憶や常識、それに伴った感情があるから『悲しみ』はもちろん分かるし『愛』や『慈しみ』の気持ちだって当たり前に理解できる。

思い出の中に探すこともたやすい。


一緒に産まれたゴジも私も兄達と同じく[感情操作]をされている可能性がある。だけどどんな理由があるにしろそれらを持ち合わせている私は、ジャッジさんの目論見通りに産まれなかった[失敗作]になるんだろう。

この[ジェルマ王国]では、父親であるジャッジさんの[科学兵器]になれなければきっとそう扱われる。

(暴言よりも暴力でいじめられるのはいや。サンジのイジメはもう始まってるのかな?………まぁ、彼と一緒なら耐えられる、かもしれないよね)

ソラさんに背中をトントンとされながら、真っ暗な未来になんとか希望を見出だそうと頑張ってみた。それが私の赤ちゃん時代の日課になるのは言うまでもない。
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