第14章 塞ぎ込む悪役令嬢(天翔る悪役令嬢前日譚)
「あぁ、もうこれで良いな。オレ達の共通の話題だし。『婚約者の誤解』……」
「ですわね」
苦笑いをして同意する。
今日は曇天。風が涼しい。
私達はお茶を飲んでお菓子をつまんで別れた。
シュバリエとフィアンセとしては私達はとても近いのに、でも、とても遠い人間関係。
―――でも、だから私達は一緒に戦えるのかもしれない。
私達の三つの思い出、―――感情回路『我がフォートレスの剣、守るべき姫君、婚約者の誤解』。
それを胸に、私達は戦う。
又明日も明後日も―――。