第3章 〈一般人編┃10話完結〉子供時代
〈第2章 │10/10話〉【10 きたる未来】2/2P
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軽くオシャレに身支度を整えた二人で郊外の湖に訪れると、自然豊かだったところに人の手が入り始めていた。
「カップルやファミリー向けの施設で、休憩所つきの喫茶店もできるらしいぞ」
「へ~!オープンしたら遊びに来ようね!!」
「約束だからな!………じゃあ、おれボートの手配して来るからちょっと待ってろ」
言われたことにコクンとうなづく。
工事現場の人達がいる方へと向かって行ったロシーお兄ちゃんをぼんやりと見つめていた。
(この人……現住はもう14歳になってるけど、本当ならこのくらいの時はセンゴクさんに養育されているんだよね)
後々は当然のごとくに[海軍]に入る。
(……だけれども、今までセンゴクさんなんて存在はみじんのカケラもない。それはまぁ仕方ないとしても[海軍で学ぶ身体能力と色んな知識]が無くなるのはイヤだな……)
彼らは[全然別の人]になるとしても、だ。
(……あ!いいこと思いついたかも!)
笑顔でこちらに駆けてくるロシーお兄ちゃんを同じように笑って彼を迎えれば、そのまま手を引かれてボートがある方へ連れて行かれる。
「初めてだけど漕ぐのおれな?」
「ふふ、モチロン私もだよ?…転覆しないようにだけ気をつけよう」
とたんに私の胸ははげしく脈を打つ。だけどそれが『初めてボートに乗る』からなのか『ロシナンテとボートに乗る』からなのかの区別はつけられなかった。
執筆日〔2024,05,29〕