第16章 10号
「僕、そろそろ寝るで。美影どうする?寝れるか?」
「撮影大会開催しとく。」
「ん?……おまっ、寝顔撮る気やろ!?」
えへへっと笑ったら、させへんとスマホをヘッドボードの上に置いて私の手を握る。
寝顔も通常時もほぼ変わらないからいいと思うんだが…。
ええ子に寝とってと頭を撫でられる。
さっき起きたばっかりだから寝れないと言ってるのに。
なのに、頭を撫でられていると気持ちよくてだんだん眠くなってきて、欠伸が出てしまう。
子供みたい。
そんな私を見て彼はふっと笑って額にキスをした。
「可愛ええ、おやすみ。」
おやすみと返して、彼の胸に擦り寄り目を瞑った。
えっちなことしないで寝るのも幸せ…大好きな人の隣にいれるから。
少しの間そうしていると、上からスースーっと寝息が聞こえてきた。
もう寝たのか。
相当眠かったんだろうな…なのに、私に付き合わせてしまった。
すぐに動くと起きてしまうだろうから、もう少し待ってから、頭の上にある手を退けて起き上がり、寄せてあった布団を掛ける。
彼の寝顔は、起きている時よりも少し幼く見える。
無防備だからかな?
可愛いからいろいろ弄り倒したいけれど、たぶんすぐ起きてしまうだろう。
私も大人しく寝ようと思い、また彼の胸に吸い寄せられるように擦り寄ると、彼は微睡み私の頭を撫でた。
そのまま撫でられていると手が止まったので、ちゃんと眠ったのだと思い、私も眠った。