第14章 二人はずっとずっと一緒
「何ドキドキしてるの。」
「き、緊張してるの!別に耳元でときめいたわけじゃないし!んもう!集中しなきゃなんだから!」
「はいはい。」
私は両手を突き出し、扉を見つめた。
手から浄化の球みたいなのを飛ばすイメージをした。
ばーっと!出ろ!
と、意識して見たけど、手からは何も出なかった。
「あれ?意識しすぎかな…。」
もう一度銃の形に手をして見て、撃つフリをしてみたら、さっきと同じようにバンっと穴が空いた。
「はイメージしやすいやつがいいのかもな。あ、かめはめ波とかいいんじゃない?口に出してやれば出そう。」
悟さんに言われ、私は遠距離で飛ばす私のイメージしやすいものを考えた。
かめはめ波は…出るかもしれないけれど、毎回それをしろと言われたら、ちょっと恥ずかしい。
「銃とか飛び道具かー…あ、弓とかは?」
「破魔矢とかあるし、いいじゃん。」
犬夜叉のかごめちゃんだって、そんな感じだった気がする。
あれをイメージしてみよう。
破魔矢ー…。
全てを浄化し、祓うイメージ。
私は横向きに立って、上に伸ばした両手を弓を引くイメージで下げた。
右手を後ろに左手を前にまっすぐ。扉の方にーー…
集中して、意識しろ。私ーー。
手を離した。
瞬間、私の髪の毛がふわっと風に前に押し出され、光の束が風よりも早く扉をぶち壊していた。
「お、出た出た。想像以上だね。まさか、領域を外から破壊するなんて。」
扉は破壊されて、直径2メートルくらいの円の形のまま、全ての空間が壊れていた。
「お゛…お゛ーーお゛ぉ」
ズルリと円の中から出てきたタコのような呪霊が、苦しそう出てきた。
「あいつが三体のうちの一体かな。。疲労感や違和感はある?」
「ううん。」
「じゃあ、あいつに1発もう一回。」
「わかった。」
苦しそうな呪霊。
なんとなく楽にしてあげたかった。
私はもう一度、その呪霊に向かって弓を放った。