第7章 安らぎの時
息子が逃げたのを確認すると玲王はすぐの方を向いた。
玲「大丈夫か?何もされてないか?怪我は?」
玲王はの体や顔を確認するようにペタペタ触ると、心配そうに顔を覗いた。
「ひっく…ひっ…玲王くん…私…私…」
は玲王の胸元に手を置くと、目からボロボロと大粒の涙が溢れ出した。
玲王は苦しそうに眉根を寄せるとをそっと自分の胸に引き寄せた。
玲「悪い…怖かったよな…。遅くなって、悪かった」
玲王は優しくトントンとの背中を撫でた。
「ううぅっ…うぅっ…うぇーん!!」
は玲王の背中に手を回すと、その胸の中で思い切り泣いた。
ひとしきり泣いて落ち着いたは玲王と階段に座った。
玲「ごめんな、遅くなって」
「ううん、ありがとう。来てくれて」
はゆるゆると首を横に振った。
玲「あの変態ジジイもあとで絞めてやる」
「見てたの…?」
玲「うん。あの途中で見つけたんだ。のこと。助けに行こうと思ったら、あの人の量だから掻き分けるのに時間かかっちゃって…辿り着いた時にはもうはあいつに腕掴まれて出てくとこだった。もっと早く、俺が気づいてれば…泣かずに済んだのに…。」
玲王はの頬に手を当て、涙の跡を優しく親指で拭った。
は頬にある玲王の手に自分の手を重ねると、笑顔で言った。
「ううん、良かった。玲王くんが来てくれて。…王子様みたいで、かっこよかった。」
玲王は目を細めて、重ねられた手を絡め取った。
玲「なぁ」
玲「 俺じゃダメ?」
玲王は真っ直ぐを見つめた。