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ハリー・ポッターと贖罪の代行者

第25章 【セブルス・スネイプ】



「どうかセブルス、君が儂を殺してくれ。どうせドラコ・マルフォイの計画は失敗に終わるだろう。儂はドラコ・マルフォイの無垢な魂が傷つくのは見とうない」

 そのダンブルドアの願いを聞いた時、ハリーは世界がひっくり返ったような気分に襲われた。

 それじゃあ……ダンブルドアは、最初からスネイプに殺されるつもりだったというのか。
 そのつもりで、あの時、あの塔の上で、ダンブルドアはスネイプに自ら死を懇願したというのか……。

 ハリーがショックを受けている間に、最後だと思われた記憶が揺らぎ、続きが現れた。
 そしてこれが……これこそが、ダンブルドアが最後まで明かすことなく、秘められたハリーの運命の全てだった。

「――それで、ポッターの件はどうするおつもりですかな?」
「あの子の魂には、ヴォルデモートの魂の一部が刻み込まれている。あのひたいの傷と共に刻み付けられたのじゃ。リリー・ポッターの犠牲と共にな。故にあの子が死なぬ限り、ヴォルデモートが死ぬことはないじゃろう」

(なん……だって?僕が、僕が死ななければ……?)

 その瞬間、憂いの篩と同様にハリーの意識が叫びの屋敷に戻ってきた。
 呆気にとられ、暫し身動き一つとれないで固まっていると、ヒューヒューと息も絶え絶えのスネイプが床に転がってこちらを向いているのに気づいた。

「……を、瞳を見せてくれ……」

 ハリーは何も言うことが出来ず、只々スネイプの目を見つめた。するとスネイプは苦しそうな表情から、僅かに笑みと涙をこぼした。

「永……遠に……愛し……て、る……リリー……」

 ハリーの瞳を見つめているスネイプの目は、底なし沼を思わせる様に黒く、深く、ハリーはその深淵のような瞳に吸い込まれるような気分がした。
 そしてハリーが気が付いた時には、スネイプはその闇の様な瞳を開いたまま事切れていたのだった。
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