• テキストサイズ

【ブルーロック】蜂蜜のファーストラブ

第35章 リバティ ✢





手を繋いで近所のコンビニに向かう。


夜空には綺麗な満月が出ていて、足を止めてふたりで見上げた。




「夢はやっぱ、お月様みたいにキレイだ!」




ネックレスの満月に、チュッとキスを落とされる。




「満月はね、夢の力と可能性をフルに発揮してくれるんだ!」


「ありがと。廻は私の太陽だね。」




照れくさそうに“へへっ”と笑うあどけない表情(かお)。


心臓がキュッとなるような愛おしさが込み上げて、道端でギュッと抱き締めた。





「明日……楽しみだね。」



「うん♪楽しくサッカーしてくるね。」



眼を瞑って蜂楽の胸に顔を埋める。





ホント言うと私ね、まだ複雑なんだ。



廻の楽しいサッカーを、誰よりも応援したい。

廻の楽しいサッカーを、誰よりも信じたい。




だから明日は笑顔で“いってらっしゃい”するって

そう決めたはずなのに……




得体の知れない寂しさに、身を引き裂かれそうで───。







「なに買うなに買うー?」


ペットボトル飲料のコーナーにターッと駆けていき、ちゃっかり炭酸水を持ってくる蜂楽。


本当に、自由だ。




「パッピコ食べる?」




いつか蜂楽がくれたアイスの名前が口から出る。


縛られてた家訓であまり食べられなかった冷たい魅惑を、私はナチュラルに手に取った。




「一緒に食ーべよっ♪」




自由な選択は、私の可能性をこれからも広げていく。



自ら掴んだこの甘くて小さな開放感を噛み締めて、帰り道ふたりで“かんぱい”をした。


/ 514ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp