第29章 おつきさま【蜂楽視点】
『あぇ?』
今日は、変なコトばっかりだった。
とっくにバイトに行ったはずの
夢ちゃんのチャリンコが
駐輪場に置きっぱなのを見つけたのがその始まり。
そん時、俺は部活してて。
ロードワークが終わって、学校に戻ってきたところで。
夢ちゃんのやることなすこと、その理由まで。
俺は全部知りたいんだ。
不思議に思ってチャリを見てみると、パンクしてた。
『(このタイヤ……)』
タイヤは鋭い切り口で、わざと傷付けられてた。
嫌な予感で……俺の脳内は支配された。
『俺、用事あったんだ。今日は帰るね。』
『あ、おい!蜂楽!?』
部活抜けてすぐ着替えて
夢ちゃんを“K.K.”まで追いかけた。
道の途中では会えなかった。
でも店に着いて、窓から覗いた光景の中に……
すぐにキミを見つけたよ。
マスターと抱き合ってる、悪い子のキミをね。
その後の俺は……ぐちゃぐちゃだった。