第23章 がまん【蜂楽視点】 ✢
「一週間、お留守番よろしくね。」
「うん。気を付けてね。」
「廻、行ってきます。」
「夢ちゃん、楽しんできてね。」
優と夢ちゃんは、“廻物展”で大阪へ向かった。
昨日は4回ヌいた。
いや、5回だったかな。
ここのところ毎日、似たようなカンジ。
今日から一週間、夢ちゃんはいないのに。
最近キミは……俺にそっけない。
“……帰ったら、たっぷり可愛がるから。”
“たくさん愛して?廻。”
根暗マスターにケンカ売った夜から一週間。
せっかく夏休みなのに
せっかく一緒の家なのに。
あの日を最後にえっちなコトしてない。
寂しいけど、仕方ないよね。
バイトして、夏休みの宿題きちんとして、
なんでも家事こなして、今回の個展の件…
ホントに働き者。
その上、俺の相手してる余裕なんてないよね。
甘えすぎなのは解ってるんだ。
夢に向かって前だけ見てる夢ちゃんは
すっげーカッコよくてキレイだ。
魅力的すぎるんだ。
だから今、夢ちゃんに触れたいってキモチが
ガマンに反して暴走してる……
俺の勝手なエゴなんだ───。