第1章 「夏は嫌いかな」
「でもまぁ、、、夏は嫌いかなぁ」
猫を撫でながら、彼__クララはつぶやいた
「冬のほうが好きなんですか?」
「ショッピくんは?」
「俺は暑いより寒いのほうが好きですよ。」
「そっか。」
(・・・)
「あ」
猫が彼の腕から逃げ出した
「待ってや」
彼はその猫の後を追おうとした
「ックララ?その先は__
彼が飛び込んでしまったのは_____
赤に変わった信号だった
バッと通ったトラックが
彼を轢きずって鳴き叫ぶ
血飛沫の色、彼の香りと混ざり合って俺はむせ返った
嘘みたいな陽炎が
「嘘じゃないぞ」
って嗤ってる
夏の水色 かき回すような 蝉の音に 全て眩んだ