第10章 ヴァージンロードの先
チャペルの入り口でウェディングドレス姿の凛帆は父親の腕を取った。
「大丈夫か?凛帆、顔色があまり良くないね。」
「……………ちょっと緊張してるみたい。
心配ないよ?お父さん。」
「無理をするなよ。」
凛帆の父親は柔らかく笑った。彼もまた孫の誕生を心待ちにしていた。
チャペルの扉が開け放たれる。
祝福の拍手。
(純白のヴァージンロード―――――
この先で待っている貴方の瞳は――――――
微塵の風もなく穏やかな凪の海なの?
それとも時化の海の様に激しく荒れていて…………私を揺さぶるの?)
Fin