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氷が溶けるまで。【中原中也】

第6章 DEAD APPLE


目が覚める。

まだ辺りは暗い、月明かりだけ光だった。

眠っている中也の頬をそっと撫でる。

生きててくれて善かった。
中也が居なくなってしまったら、私は私じゃなくなる。
きっと"人形"と呼ばれた頃に戻るんだろう。
彼は私の光、生きる理由なのだから。


中也は私を光と云ってくれた時は嬉しかった。
織田作の言葉通り誰かの光になれたのだから。
それも愛しい人の光なのだ。


だから私は強くならなければならない。
強くなって、守るのだ。
愛しい人たちを、、、、。


「っ?」

『ごめん、起こしちゃった?』

「いや、こっち来い。」

頬を撫でていた手を引かれ、中也の腕の中へ。
お互い裸なこともあり、体温がより近く感じる。

「、好きだ。」

『私も中也が好き。』


中也に頭を撫でられているうちに眠ってしまった。


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俺の腕の中でスヤスヤ眠っている。


の額に口付けをする。
 

「、愛してる。」

その寝顔はまるで天使のようだ。
寝顔は昔と全く同じだ。


との本当の出会いは8年前だ。
然し、はそのことを知らない。




当たり前だ、記憶がないのだから。



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