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氷が溶けるまで。【中原中也】

第12章 特別な日


太宰「おはよー、ちゃん♡と中也。」

『おはようございます、太宰さん。』

「チッ、朝から見たくもねぇ顔見ちまった。」

太宰「そうだ、お誕生日おめでとう。私からのささやかなプレゼントだ。」

何処に隠していやがったのか、一本の薔薇をへ渡す太宰。

『ありがとうございます。』

少し照れながら、薔薇を受け取る。

太宰「おや、素敵なブレスレットだね!、、、成程中也からだね?」

『太宰さんはなんでもお見通しですね、そうなんです。』

太宰「ふふ、私はなんでも判るのさ」

そう云い、ジトっとした目で俺を見つめてくる糞太宰。

まるでなんでもお見通しで、判ってるぞ。っと云っているようだ。

「チッ、どんだけ手前は俺たちの邪魔したら気が済むんだよ!」

太宰「うーん、中也とちゃんが別れるまで!」

「残念だが、それはねぇからな!」

太宰「ちゃん、この妖精さんの何処が善いんだい?」

「妖精さんじゃねぇよ!!」

『ふふ、全部です。』

の言葉に太宰への怒りなど吹っ飛んだ。

「手前に勝ち目はねぇんだよ!糞太宰。」

太宰「はぁ、仕方がないから今日のところは私が負けてあげるよ。さぁちゃん、仕事の時間だ!」

『はいっ!中也いってきます。』

「気をつけてな、いってらっしゃい。」

太宰がニタニタしながら俺に耳打ちをする。

「チッ、さっさと俺の前から消えろ。じゃあねぇと今ここでぶっ殺す!」

太宰「おお、怖い。ちゃーん!チワワが歯を剥き出してる!」

「っるせぇ!!!」

中也の怒鳴り声がヨコハマ中に響き渡った。




"ブレスレットに発信機だなんて心配性だねぇ?"


太宰はなんでもお見通しなのだ。




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