~たゆたううたかた~【禪院直哉/R-18/短編集】
第1章 気まぐれ 【禪院直哉】
朝の7時から営業しており、
丁度…朝の7時を過ぎた辺りで。
レトロな雰囲気の本館の
空いているテーブルに着くと。
モーニングの定番である
京の朝食を頂いて。
イノダコーヒを後にすると。
また車に乗って目的地を目指す。
着いたのは…ホテルクロノスと言う
京都の伏見区にあるラブホテルで。
「あの…ッ、直哉様、今朝ですよ?」
『大丈夫、大丈夫。
朝の6時から休憩できるし、
3時間までご休憩やから、
ゆっくりできるし、問題あらへんで?』
このラブホテル…お部屋を選ぶ
パネルを見て…驚いてしまったのだが。
お部屋の内装が…かなりぶっ飛んでる。
『プールある部屋もあるし、
ゴルフ出来る部屋もあるし…。
恐竜居る部屋もあんねんで?
おもろそうやない?でもな…
俺が行きたいって思っとったんは…』
そう言ってある部屋を
パネルで表示させると、
こっちが何かを言う前に
部屋番号を押してしまって居て。
選んだお部屋…は
アラビアンナイトの世界観の
アラビアンルームの317号室だった。
『ほら、見てんや。ヤバない?
ちゃん、どっこも
かしこも、キンキラキンやで?』
コンセプトルームと言うのだろうが
その世界観が…こう…徹底されていて。
内装もアラブの宮殿みたいな
そんな感じの作りになっていて。
リビングのソファも金色で
天井からぶら下がっているランプが
カラフルなタイルのランプで
カワイイ照明だなぁと…
つい上を見上げてしまっていた。
丸い円形の金色のベッドの向こうに
タイルの上に座っている
フタコブラクダのオブジェがあって。
そのリアルなラクダのオブジェの隣に
大きな魔法のランプが置かれている。
『ラクダ居るで?乗れるんやない?』
「確かに…良く出来たラクダですが…」
『驚くんはまだ早いで?
ここでシーシャ吸えるねん』
日本でもシーシャが吸える場所が
京都の中でも増えては来てるけど。
ラブホテルで吸えるんだ。シーシャ。
あのラクダ乗ってシーシャ吸おうやと
直哉が嬉しそうに話をしていて。
フレーバーが数種類あるようなので
自分の好みのフレーバーを選んで。
フロントに電話をして注文して貰った。