第1章 つよがり いいわけ かわいい子
「…何が悪いのよ。」
一気飲みしたビールジョッキを机に置けば、苛立ちが机に響く。私の荒れた姿を見た夜久は悪酔いするから夏乃はノンアルな、と言いながらジョッキを回収していった。
音駒バレー部OB会と称して集まった同級生4人。近況報告も終わりいい年となった男女が行う話題といえば、やはり恋愛、結婚のこと。
いい相手いねえの、なんて茶化すような黒尾の物言いに目の前のビールを一気に煽れば、周りは空になった私のビールジョッキを回収し、これ以上酔わないようにとお茶を目の前に置く。まだまだ音駒お得意の"繋ぐ"連携プレーは得意のようだ。
「それで?夏乃は何があったの。言いたくなかったら話さなくてもいいけど。愚痴吐いて少しでもすっきりするなら話聞くよ。」
高校の時もそうだったが、海の声はどこまでも穏やかで、自分の中の燻った気持ちが少しだけ穏やかになる。もらったお茶を少しだけ飲んで潤った口を開くと、そのままの勢いで苛立った訳を話し始めた。