第45章 ※激情Ⅱ
[…それが答えか]
[っ……ぅ…!]
すうっと唇を指でなぞられる
先程までの強引さは何処へやら 壊れないように優しく丁寧に扱っているかのよう
今度は首筋
そんなに弱いわけではないのに体が敏感になっているせいか反応してしまう
指先で確認するかのように慎重になぞられる
[……っ……ぅ]
[あ………う]
このままだと気が狂ってしまいそう
それほどびくびくと体を震わせ感じていたけどこのままだとまた
[……………やめてぇ]
"流される"
必死にそう言うしかなかったけど涙まで溜めて子供のよう
みっともないことこの上ない
[………お前が十亀と付き合っていたのは知ってる]
[!]
なんで知っているのかと目を見開く
風の噂で聞かれていたとしても可笑しくないが呆然とせざるを得ない
[…その様子だとひどく扱われたんだろ]
[……!…それは]
そうだ梶さんの言う通りだ
私を"モノ"みたいに扱った
自分の欲望を吐き出すがために 話なんて聞かず都合よく
でも
(…………"彼"は)
ハッと我に返る
何を言おうとしたのだろう
あんな酷いことをされておいて 私
(許そうとしてる?)
理解できない
きっと今頭が混乱しているから だから
(…………嫌)
嫌だった 今この場でそんな考えをした私が
何の根拠があってそう言えるのか理解できない
(……まずは…)
頭を抱えそうになるのを我慢しながら訂正をしようと話しかけようとしたその時だった
[……その答……]
[…そんな奴忘れてしまえ]