第42章 戦慄
[……………]
プルプルと繋がる音はするのだが出る気配もない
[……応答なし…かぁ]
仕方なく切るボタンをポチッと押す
何回目の電話だろうか かけてもかけても応答しない
チャットもメッセージにも送っても返事がないし彼の家に行っても私を避けているかのように居ないのだ
[………ふぅ]
(何があったの?)
(条くん…)
あの日から一切連絡がない
私が二度寝してしまったあと起きたら忽然と姿を消していて枕元には
ごめんね と書いたメモを残して
(……これは)
何かあったんだ
嫌な予感は当たってしまった
まずいと本能的に悟り
(今すぐ追いかけないと……!)
大急ぎでベットを降りようとすると
(腰が………痛い…)
忘れてた
子鹿みたいにプルプルする これは動くにも大変だと
(………うぅ……)
結局翌日まで安静にして改めて連絡してみたものの今を含めて音沙汰なしの状態なのだ
(………それに)
椿ちゃんも獅子頭連の話をすると目を泳がせまくっていて何があったのか明白だ
私は必死に教えてと懇願したら
[嫌な噂しか聞かないのよね…]
[……どうしたのかしらね…一体…]
[…大丈夫なの?]
とだけ
一応噂じゃないのとはぐらかしたもののますます気にかかって仕方ない
オリにも行こうかとも思ったけど悩んでしまい行動に移せず
何も前進がないのだ
(…………)
(………誰に言えば…)
おじいちゃん達に言ったとしてもどうにかなるものでもない
椿ちゃん達にもお願いできる話でもないし
(……………空気を吸ってこよ)
少し外に出ようと引き戸を開けた瞬間
[鰐島さん………!??]