第37章 祝福
[落ち着いたぁ?]
[うん…その…お騒がせしました…]
結局10分近く悶えて悶えてようやく落ち着く
今は背中をポンポンされながら寄り添っている状態だ
どっちが年上なのだろうか 恥ずかしい
[ううんいいよぉそんな]
[確かにぃ恥ずかしいもんねぇ]
[うん…まぁ…]
悪気がないとは分かってはいるものの腑に落ちない
後でおじいちゃんに問い詰めなきゃ
[……でもさぁ]
[?]
[こんなに祝福してくれる人がいるなんて幸せだねぇ]
[俺達]
(ああ)
そっか 全然考えが及ばなかった
何であれ私達を祝福してくれているのだから
とてもありがたいことなのにそこの部分がぽかんも抜けていたようだ
[…………それもそうだね]
(でも……)
[…恥ずかしいものは恥ずかしい…]
あまり目立つのが得意ではないから余計にそう思ってしまう子どもが拗ねたかのようにぷくっと頬が膨らみ顔を逸らす
[ふふ]
[可愛いなぁちゃん]
彼はその行為に喜ぶかのようにちゅと軽く髪に口づけを落とされる
[ちょ……も…もう…]
[誤魔化されま……]
これで騙そうなんて駄目だと振り向いた瞬間
[ちゃん]
[俺も幸せだよぉ]
ずるい
(もう……)
こんなの言えないじゃない
条くんが屈託のない笑顔を私に向けているのだから
彼が本当に 心底想っている証拠
(それを言うなら…)
[…………]
[………私も]
流されたような気がしないでもないけど彼の気持ちに応えるようにそっと唇を合わせた