第36章 ※嫉妬Ⅱ
[ちゃ……]
わたわたしている あの条くんが苺のように真っ赤だ
コンプレックスの塊でしかない胸
たぷたぷでデカくて肩こりの原因しかならない不要なもの
大きいほど好きって男の人は言っていたけど
(………ん?)
固まったまんまだ
彼は喜んでくれているということでいいのだろうか
不安になってきた
(……えい)
もっと沈ませた方がいいのかなと謎な考えが浮かび先ほどよりも胸に手を沈ませてみる
[ん…]
[ちょ…………ちゃ]
[……いや……?]
嫌なのだろうか
私はこんなにも触れてほしいのに
[…………っ…]
[わっ……!]
[…そんな事ないよぉ]
[………]
大きな手で抱き寄せられ愛しいものでも撫でるように頬に指を這われる
肌と肌と密着しているからなのか妙に暖かく感じる
[条く……ん…]
気恥ずかしさはあるけれどよかったと安堵する
私に触れて嫌じゃなかった その事実だけでも嬉しくて心がポカポカする
[それにしてもぉちゃん]
[大胆だねぇ]
ふふと笑いながらからかわれる
それもそうだ こんなに大胆なこと初めてだもの
私は罰が悪そうに
[……だって]
[条くんが嫌…なんじゃないかって]
こんなのこじつけみたいなものだ
まるで子供みたい
[そんなことないよぉ]
[むしろぉ]
[ん…]
[ん……んぅ]
額に軽い触感が走る 相手を思いやるかのように優しく口づけの雨が降る
[よすぎておかしくなりそぉ]