第32章 吐露Ⅵ
[椿ちゃんSide]
と別れたあとポトスに向かうため梅達と談笑しながら歩いていると
[……椿野]
[ん?なぁに梅]
どうしたのかしら こんなトーンの声の梅も珍しい
大事な話でもあるのかと思い聞き返すと
[あの子…泣いてたみたいだな]
[…気づいてたんだ梅…というか柊もよね?]
(…………やだわ)
隠すにも難しかったもの 泣き止んだ後で彼女の瞼が少し腫れぼったくなってしまっていた状況だったものだったから
まさか梅達がくるなんて微塵も思わなかったしね
結構梅はそういう変化に敏感だからかすぐ気づいてしまいやすい
[……まぁな]
[…………そう]
無理もないわね気づかれるのは
正直言うとあんなに泣きじゃくる彼女をどうしたら泣き止ませることができるか必死だった
まぁ案の定好きな人のことで悩んでたみたいで彼女自覚がなかったのだけれどね
あーしがそういった途端すごく顔を赤く染め上げて
(……羨ましいわ)
あんな風に想ってくれるんだもの
羨ましい以外の何物でもない
あーし いや
俺をそう想ってくれることはないのだ は
(………応援するって言った手前…)
(辛いけど…彼女のためだもの)
だから我流すぎる考えかもしれないけどあーしなりに伝えた
過去なんて徐々に知るものだもの
それに嫌なら無理に話すこともない
きっとそれは彼女の好きな人も望んでないだろうし知ったとしてもビビらないだろうと
(勝手な憶測よねぇ〜…)
けれどそれでビビるくらいならそれだけの男だもの
ちなみにあーしはどんな過去があろうが受け止めるわ
だって彼女のことを愛しているもの
誰に何と言われようともね