第27章 一歩Ⅰ
[……………………………え?……]
今彼は何を言ったのだろうか言ったことが理解できてない
頭が真っ白になる先程とは比べようもないほど思考が回らなすぎて立ち尽くしている
[……………ずっと異性…一人の女の子として好きだったんだぁ………]
[会った時からずっと………………]
[…………ちゃんの過去を聞いてもそれは変わらなかったぁ………]
[ますます好き……になったからぁ……]
(知らなかった)
言葉を聞いて少しずつだが白いモヤが取れ思考が明確になり始めるまさか彼がそんなふうに私を想ってくれていたなんて
私は彼より年上だし対象外だとばかり
姉のように慕ってくれていたらいいなと勝手に思っていたけどまさかの想像の斜め上すぎて
もしかすると顔がリンゴのように色づいていたのも
(…………………………私……)
条くんのこと知らず知らずに蔑ろのようにしていたのか
相変わらずの自分の鈍感さに呆れてしまうが
正直言うと私でなくてももっと素敵な女性がいるのに
上手く言葉に表せないけど
[………そ…………その…どうして…私なの………?]
[……!…………… ……ちゃん……]
やっと声が出せた
過去を知っても彼は普通にいつも通りに接してくれるそれは嬉しい今だってそう変わらずだから
(けれど………)
あんな事を聞いて付き合おうだなんて思うのだろうか
言い方がよくないかもしれないが精々友人でいいかと考えるだろう
それに
[お前さえいなければ………………]
[娘は…………………]
未だに苦しめるいじめとは別の過去の記憶
私はまだ条くんに言っていないことがあるのだから