All is Dream Box【春パワー全開】*短編集
第10章 如月十六夜/幼なじみ以上…?(ADB)
今吉side
「幼なじみってなんなんやって?なんやの、それ」
素っ頓狂な声あげとるコイツは幼なじみ兼バスケ部マネージャーの恵那や。
ちっさい時からよう遊んどったなぁ。
ま、まずはコイツが素っ頓狂な声あげた理由を教えよか。
…ぶっちゃけ言うてしまうとな、ワシ、恵那が好きやねん。
せやけど、ヘタに伝えて失敗して、今のこの幼なじみいう立場が壊れてもうたらと思うとな…。
せやから、ワシ軽く恵那を詮索しとんねん。
詮索いうても、いきなり好きな人おるか聞くようなアホなことちゃうで?
少しずつジワジワ聞いてくんや。
それをやろうと、部活前に恵那を捕まえて今に至るっちゅうわけや。
今「せや」
「なんで急に…どないかしたんか?」
今「どないもせえへんわアホ」
「そないなこと、私より翔一のほうがゃう知っとるんとちゃうの?」
今「ワシは辞典とちゃうで。知らんことくらいある」
本当は知っとるけどな。
「ま、そうやけど…。幼なじみ?うーん…せやねえ…幼い時からずーっと一緒におった人…かなあ?」
む~…と考えこんだ恵那。
しばらくして、えらい目を輝かせて言った。
「わかった!!友達以上恋人未満、や!!」
今「なるほどな~…」
「なんでいきなり?」
…こいつにゃ答えるわけにはいかへんなあ。
ちょいとはぐらかそか。