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All is Dream Box【春パワー全開】*短編集

第8章 さな/【テニプリ】4章 宣戦布告




「なんだチビ助。ガキにはまだ早ぇーぞ。」
「そうじゃなくて。嫌がってじゃん。」

またもや会話が噛み合ってないけれど、助かったことには変わりない。

「なんだ、お前。もしかしてイモに惚れてんのか。」

爆弾のような一言に周りが静かになる。
菊さんや桃ちんは今にも奇声を発しそうな勢いだ。

「…そうじゃないけど。先輩がアンタのこと嫌がってんの見て分かるし。」
「フッ、言うじゃねーの。受けて立つぜ。」

またまた話が噛み合ってなくて、ツッコミたいところだけど。忍足君もツッコミたくてしょうがないという顔をしている。

「…あと。」

越前君が何か言いかけた瞬間、私の手を引いた。
そして頬に感じた柔らかい感触。
あまりにもスマートというか、自然な流れで誰も気づかないくらいだったけど。
彼が私の頬にキスをしたのだ。




「…キスくらい普通に出来るでしょ。」



その後、菊さんや桃ちんが奇声を発し、不二君の瞳が完全に開眼したり。とんでもない騒ぎとなった。
だけど、あの跡部君が少し余裕を失くした顔を見せたので、とても凄いことなんだと思う。

春。
青春学園高等部、男子テニス部にとんでもないルーキーがやって来ました。






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