第7章 別れ（１）

潤「それで雅紀兄さんは？」

智「今の所、軽症らしいけど…」

翔「今の所…？」

…何？その含みは…

智「あと、どうやらこの感染症は感染力が弱いらしくて、空気感染はしないらしい…それと、前に何かの感染症の時のワクチンが、この感染症にも有効らしいから、近い内に雅紀と面会出来るだろうって」

和「ホントですか？良かった…」

それは良かったけど…

翔「智くん…広野さんからの話はそれだけ？」

そう言うと、智くんは顔を曇らせて

智「…黙ってても、そのうち知られるだろうから話すけど…雅紀が介抱した外国人は…亡くなったらしい…」

翔「…えっ…」

亡くなっ…た…？

智「その外国人は元々持病があって…そのせいで重症化しやすかったみたいなんだ…でも…」

翔「でも…何…？」

智「…この感染症は…致死率が高くて…今軽症でも重症化して…亡くなる人が多い…って…」

和「そ…んな…」

まさか…雅紀が…

俺は智くんの言葉に頭が真っ白になった…