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【最遊記夢】TE・N・SE・I

第1章 ♢差し出されたクッキー♢


 三蔵一行はこの1週間の間で一番の街に着いた。疲れを癒すべくとりあえず宿でも探しに行こうか…としていた時、いつも通りの声が響いてくる。

「さーんぞぉぉ!」
「うるせぇな、何なんだ、一体」
「おいしそうな豚まんがある!」

 そう言う悟空を横目に見ながらも悟浄・八戒・雅は『またか…』と呟きながらもそのやり取りを見ていた。

「ねぇ?悟空って…何であぁも懲りないの?」
「そりゃ雅ちゃん…?脳みそが胃袋だからだな」
「ははは」
「お、ちょっくら俺野暮用思い出したわ」
「へ?」
「夕飯は?」
「まぁ、テキトーに…」

 そう言って悟浄もヒラヒラと手を振って3人の輪から抜け出ていった。

「…ねぇ、八戒?」
「解りますよ、あなたの言いたい事は…雅…」
『ねぇぇぇ!三蔵ぉぉぉぉ!!』
「あっちはあっちでそろそろ…あ、出た」

 雅のいうのとほぼ同時に三蔵の懐からいつも通りのハリセンが出たかと思えば軽快に悟空の頭をクリーンヒットした。

「…いってぇぇ!」
「いい加減黙りやがれ!」
「なぁ…雅ーー、三蔵が…三蔵がまたぶった…」
「雅に懐くんじゃねぇ!」
「はいはい。それじゃぁ次行きますよ?」
「…おい八戒…」
「悟浄ならあなたたちのやり取りに待ちくたびれて、きれいな女性を追いかけていかれましたが?」
「フン…どいつもこいつも…」

 そう言われながらもとりあえず食事をしようかと食堂を探しながらも4人となった一行は入っていった。

「めーしっ!めーしっ!」
「少しは黙ってられねぇのか…貴様は」
「三蔵?おなかの空いた悟空にそれは無理な話ですよ」
「ねぇねぇ、三蔵?」
「ぁあ?何だ」
「あとで寄ってみたい所があるの。行ってもいい?」
「お前もか、雅…」
「あ、だめ?」
「誰もだめだとは言ってねぇだろう」
「クスクス…三蔵?悟空がやきもちやきますよ?」
「ん?俺?餅は焼かねぇよ?」
「違いますよ、悟空」

 クスクス笑う八戒と頭にクエスチョンが飛び交う悟空。それでも目の前に食事が運ばれてくるとどこへやらと言わんばかりの悟空。
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