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君の隣で ~好きなのに、好きだから~【最遊記夢】

第3章 入学式


 翌日は入学式。真綾も一菜も歓迎会の準備があったとはいえ特段当日にすることも無く、いつも通りに登校していた。しかし校門に近付くにつれて、少しずつ何かの異変に気付いた。

「…何?コレ」
「異変…真綾も気付いた?」
「そりゃ、この黄色い声は何事って思うけど…」
「……すっごい気になる…てか…」
「新入生が三蔵見つけたとか?」
「悟浄君や八戒君見つけた的な…かな?」
「あのあたりのメンツ見つけたら……こうなるだろうけど…」

 そう話しながらもいつになく騒がしい校舎に向かって行く二人。そこには校門入って少しした所に建てられていたテントだった。そこは入学生が胸に花をつけてもらえる場所。つい先月には卒業生が花をつけてもらっていた場所と同じ場所だった。

「…これは…間違う事無く…」
「三蔵と八戒君、ですな」
「ですね」

 そう話しながらも二人はその場所を過ぎようとしたもののちらりと目を向ければ三蔵と目が合う。

「…おはー!」

 そう声をかける二人に少しだけ口角をあげながらも顔をそむける三蔵と手を振り返す瑠衣。

「う、わぁ、相変わらずだけど、なんか…」
「仏頂面…だね」
「本当…どうにかならんのかしら?それなのにあの人気ぶりは…」
「たれ目なのに…」
「クスクス…真綾、それ…禁句」

 爆笑したいのを必死にこらえる一菜と一緒に教室に向かって行く二人を見て八戒や瑠衣は三蔵に声をかけていた。

「…本当に、挨拶ぐらい返したらいいのに」
「こっちは仕事で手いっぱいだ」
「監視しかしてないのに?」
「うるせぇよ。」
「これでモテるのが不思議だわ」
「うるせぇって」
「立ってるだけで皆寄ってきますからね」
「動物園のパンダ扱いするんじゃねぇよ」
「パンダのがかわいいってば、玄奘」
「てめぇな…」
「本当に、それもそうですよ」
「…チッ…」

 舌打ちしながらも淡々と人数をこなしていく。そんな時だ。

「…あーーーー!!!!いた!三蔵!!!!」
「……ハァ…うるせぇのが来やがった」
「お知合いですか?三蔵」
「俺だよ!三蔵!覚えてる?!」
「忘れたくても忘れられねぇよ」
「……玄奘…彼女作らないと思ってたけどそんな趣味が…」
「ねぇよ。」
「…すみません、僕も今同じ事考えちゃいました」
「何でだよ、てめぇら、殺されてぇのか…」
「三蔵三蔵!!俺ね!今年からここに来るから!」
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