第4章 部活動開始
入学式と合わせた新入生歓迎会が何とか無事に終わった週明けの月曜日。入部希望者を交えた部活動の最初の日だった。というのもそれまでの期間は自由に見学出来たりする日に指定されており、在校生は通常通りの部活動の時間に充てられていたのだ。
♢弓道部の場合…♢
「…で、何だこれ」
そう言い放つのは他の誰でもない三蔵だった。キャーキャーと入り口をふさぐかのごとくに集まったのは男女問わず新入生たちだった。
「…ほぇー」
「間抜けな声出してんじゃねぇよ」
「ひどいって!」
「で?このありさまは?」
「あ、玄奘君。お疲れ様」
「あぁ、神楽か」
「千夏ちゃん、これって…」
「みんな新入部員希望だって」
「…ハァ…マジかよ…」
「ちょっとごめんね?」
そう言いながらも真綾と一緒に気だるい表情をあからさまにだしながら三蔵も一緒に弓場に入っていく。
「…おぉ、来たか」
「来たか、じゃねぇだろう。久野。なんだ、このありさまは…」
「凶と出ると思いきや吉だったな」
「一周回って凶じゃない?」
「…珍しく同感だ。」
ため息を吐きながらも二人は隅の方に移動しようとしていた時だ。
「きゃーー!会長様!」
「…へ?」
耳を疑うかの様に歓声と三蔵の顔を見比べた真綾。会長と言えば明らかに三蔵の事を指しているのは解るがそこに『様』が点く。
「おーおー、三蔵サマ、モッテモテじゃん?」
「ぁあ?死にてぇのか、貴様は」
「そういう事言わないの」
「あーぁらら、青木先輩やっさしいー!」
「フン…」
「きゃーー!悟浄先輩も並んでる!」
「散れ、去れ、俺の前から消えろ」
「はぁ?何でそんな事言われなきゃならんわけ?」
「お前といるとバカが移りそうだ」
「…その辺りにしとけ?玄奘、悟浄」
そう止めたのは顧問である美堂だった。