第12章 先にいってくる。
「え………?」
突然……。突然すぎるだろう。
「いい考えだと思わない?情報漏らされる心配もないし、死んでくれたら解剖とかも出来るしね。」
満面の笑みで言ってくる。
「そうだ!そうしよう!一月、二月、三月、四月!殺っていいよ♡」
と言ったら一気に四人が出てきた。
「それじゃ、ばいばーい。」
手を振りながら真っ白な部屋を出て行く。
今ここにいるのは僕と能力者4人だけ。
「ほんとに殺しちゃうんですか…?」
「仕方ないだろ、班長の言うことは絶対なんだから。」
「逆らったら………殺さ…れる。」
「じゃあ、もう殺るしかないよ!!」
辺りを見回す。やはり真っ白で脱出出来そうなとこはない。
なら、真っ向勝負か。いや、無理だ。
殴ったり蹴ったりでは奴らに勝てない。
いろいろ考えていると、みるみる水が溜まっていく。
「くそっ……。」
三月が水の中に火を入れる。
(そんなの出来るわけない…。すぐ、
消えるはず……。)
「え………。」
驚いた。火を水の中に入れたのに消えていない。
「へへん!調整することでこんなことも出来るんだぜ?」
と三月が言う。水は熱湯になっていき、汗がだらだら出る。
「熱い……。」
そんな言葉を、気にもとめてない。
今度は二月が一月の葉に土を付けている。そこに四月の水を加える。
すると、どんどん葉が成長していく。
「はあっ…はあっ…あ…ぁ…。」
熱い。喉が乾いた。もう駄目だ。
視界が眩む。
一月の葉が近づいてくる。そして僕の体を押さえつけて、もう熱湯から上がってこれないようにする。
「もうお別れだね。」
一月の声が聞こえる。
「「「「ばいばい。」」」」