第9章 その頃。
その頃。
皆はもうとっくの昔に集まっていた。
一番目は晃司。二番目は魁人と藍子。
三番目は優。という順番で。
「んー、奏ちゃん遅くなーい?イカ焼だよね?悩む必要もないし。」
「あー、行列が出来てたとか?」
「いや、それはないです。他の屋台は並んでなかったですし…。イカ焼だけそんなに並ぶことあります?」
「………常識的に考えて……ない。」
と皆がそれぞれ言う。
「ってことはー…ま、いご?」
「「「ない。」」」
揃って言う。
「あの奏太ちゃんが迷子になるわけないかー……。」
しょんぼりする優。
「あ!分かった!分かった!」
はいはい!と手を上げる魁人。
「あれじゃね?………ナ、ン、パ、♡」
とウィンクしながらキメ顔で魁人が言う。
「それは……ありえるわね。顔は可愛いしね。」
「だろ!?」
「うんうん!」
2人が意気投合している。
「それにしては長くないですか?」
「それはきっとウフフなことをされてるに違いない!←」
バコッッ!!
藍子が食べ終わったかき氷の紙コップを優目掛けて投げる。
「気持ち悪い。」
「ちぇー、絶対そうだと思ったのに。」
優がムクッと起き上がって
「……でも、何かあったに違いないわね。」
と見たことのない真剣な顔つきになった。その顔を見た魁人、晃司、藍子も真剣な顔つきになる。
「探しに行こう。」