第8章 おや?◯◯の様子が・・・?
優しいみんなのことだ。
何となくこうなるのも分かってたから言わなかったのに。
夕先輩と翔陽に手を引かれて体育館へ。
『もー!ほんとにど素人ですからね!』
「だいじょーぶ!!みんな最初は素人だ!!!」
腕を組んで胸を張る夕先輩。
やだちょっとかっこいい。
「俺も、たまになら・・・いい」
ボソッと呟く飛雄。
ツンデレかな?
ストイックだからこー言うの嫌いそうなのに。
「俺はいつでも!これからもやりたい時は言ってくれよな!」
翔陽は何となく予想通りの反応。
いつも優しくて太陽みたい。
「こー言うのも、"先輩"の仕事だからな!!!」
龍先輩も腕を組んで胸を張る。
何だかんだ面倒見のいい先輩なんだよなぁ。
楽しい時間はあっという間で、どこからか聞きつけた大地先輩が飛んできて解散の流れになった。
人と打ち合うのって、こんなに楽しいのか。
最初は下手くそすぎてボールも飛ばないし相手まで届かないしで恥ずかしかったけど、笑うこともせずに付き合ってくれるみんなに囲まれて楽しくバレーができた。
これからは少しだけ声をかけるようにしてみようかな。
「うわっ、すごい汗」
『うっ・・・、制汗スプレー持っとくんだった』
後から廊下で遭遇した蛍にドン引きされたのは言うまでもない。