第8章 おや?◯◯の様子が・・・?
翌日。
「おはよー永瀬!!なんか手伝おうか??これ運ぶ?」
朝練が始まるはずなのだが、翔陽の様子がおかしい。
「ほら影山も!」
「お、おお。何か手伝うことありますか、コラ」
『何でちょっと喧嘩腰なのよ、てか大丈夫!いつもやってることだし』
飛雄までも。
何なんだ一体。
『ほら、朝練始まるんだから行った行った!』
「ちょ、おおお??」
2人の背中を押して遠ざける。
あたし顔色悪い?
部活きついとか愚痴ったことあったっけ?
思い当たる節がなくてますますわからない。
「なに、あれ」
『さぁ・・・?』
蛍も不思議そうにしている。
ぎこちない翔陽と飛雄に疑問を抱きつつも、いつもの1日が始まる。
「おーい!永瀬ーーー!!!」
「よっ!」
『え?龍先輩に夕先輩?』
その日の昼休み、いそいそと体育館へ移動しようとしていると、意外な2人に声をかけられた。
「ちょっといいか?」
『え、いやぁ、あの・・・』
「時間なら取らせねーから!頼む!」
『じゃあ、ちょっとだけなら・・・』
なにやら真剣なトーンの夕先輩に、目の前で手を合わせて懇願する龍先輩。
様子がおかしすぎないか・・・?
『で、何ですか?』
体育館近くの自販機まで来て、用件を尋ねる。
「あの、そのぉ・・・」
呼び出しておいてもじもじし出す龍先輩。
「部活やめねーよな!?」
『はっ!?』
突拍子もないことを元気よく聞いてくる夕先輩。
『な、何でいきなりそんな話が??』
「翔陽から聞いたんだ!」
「そ、そうそう。バレーやりたくなったからマネージャーやめる?的な?」
何だその話は。
て言うか何でバレーやりたいって話を知ってるんだろう。
蛍が言うとも考えられないし、万が一忠から聞いたとしてもマネージャー辞めるなんて話もしてないし・・・。
もしかしてあの時の話を変な感じで聞き間違えたとか?
『バレーがしたいって言うのはホントですけど、遊べればそれでいいので、女子バレー部に入るとか、「ちょっと待ったァァァァァァ!!!」・・・うわ』
遠くから全力疾走で翔陽と飛雄がやってくる。
何なの血相変えて。