第4章 練習試合

［ピッ］

笛の音がした途端。

ドッ

ものすごい音と共にボールが蛍の方へ飛んでいく。

「うっ！」

レシーブの体制を取るも腕に当たっただけでコート外に飛んでいくボール。
なにあれ？腕もげる。
蛍腕ある？ちゃんと着いてる？？？

「うん。やっぱり。途中見てたけど・・・、6番の君と5番の君、レシーブ苦手でしょ？1年生かな？」

にっこり笑う及川さん。
性格はふざけてそうだけど、すごい。
ちゃんと見てるし、サーブの威力もコントロールも正直飛雄以上かも。


「じゃ、もう1本ね」

また狙われてる蛍。
こ、こんなの・・・。蛍の腕無事かなぁ。


「っ！！」
「ツッキィィィ！！！」

「くそっ・・・」

心配する忠が叫ぶ。
ちょっとウルサイ。
それに多分蛍そーいうの嫌いだと思う。
叫びたくなる気持ちもわかるけどね．
そんな状況を見てなにを思ったのか、翔陽が叫びだす。

「おい！コラ！大王様！俺も狙えっ、取ってやるっ！狙えよっ！」

「みっともないから喚くなよ！」
「なんだとっ！？」

翔陽はまっすぐだなぁ。

「バレーボールはなぁ！ネットのこっちっ側に居る全員！！もれなく味方なんだぞ！！」

「なんて素晴らしい名言！！」

嫌そうな顔を浮かべる蛍だけど、少し空気が変わる。
澤村先輩の指示で少し立ち位置を変える。
守備は澤村先輩がメインでやるようだ。
ニヤリと笑う及川さんは再び蛍の方はサーブを打つ。

「ツッキー！！！」

「っ！！」

ライン側に立っているせいか、さっきより少し威力が弱まったのか何とか上がったボール。
でも、向こうのチャンスボールになってしまった。

「ホラ、おいしいおいしいチャンスボールだ。きっちり決めろよお前ら」

今のローテーションはブロックの高さが1番低い。
が、頑張って止めてぇぇぇえ！！！


バッ


スパイク直前に飛び出してきた翔陽。
ほんとによく跳ぶなぁ・・・。
ワンタッチとった！！！
今度はこっちのチャンスボール。
そうなったらやっぱり・・・。


ドッ

ゴッ

ものすごいスピードでブロックを振り切り決めた翔陽。
かっこいい〜！！！！
あまりの展開に鳥肌が立つ。
やっぱりいいなぁ、見てて楽しい！！！


［ピーーーッ］


試合終了


烏野の勝ちだ！！！