第2章 入・・・部?
熱いやつが好き・・・?
なにそれ、初めて聞いたんだけど。
てか何であのチビと仲良くなってんの?
モヤモヤと湧き上がるこの感情はなんなのか、彼はまだ知らない。
『ふぁあああ』
大きなあくびと共に起床すると携帯に一件の通知。
[今日から朝練行くから、1人で登校頑張って(笑]
連絡一つでこんなに腹が立つ内容送って来れるって最早才能だな。
学校の支度をしていると、声をかけられる
「おはよう永瀬、部活は決まったの?」
『おはよー!うん!大体!多分来週から始まると思う!』
「来週?さっき外掃除してたら蛍くんに会ったけど、朝練って言ってたよ?」
『あー、まぁ逆にあっちがイレギュラー的な?』
「そう・・・。それで?何部にしたの?烏野は水泳部ないし」
『・・・マネージャー、やろうと思って』
「!」
『男子バレーボールの』
「やっぱりバレーがいいの?私やお姉ちゃんがやってるからって無理に合わせようとしなくても・・・」
『違うよ!・・・最初は、そうだったけど。テレビとかネットで見続けていくうちにどんどんハマって行って。でもやっぱりプレイするとなると迷惑・・・かけるのは分かってる、から』
「あのね、あの時は体も弱かったし、その・・・」
『分かってるって!迷惑かけないように、体力つけたから・・・。見守っててほしい。役に立たないかもしれないけど、迷惑はかけないから』
「やるならしっかり、役に立ちなさいよ!」
『!!!・・・うん。がんばる!』
母はママさんバレーを長く続けてて、その影響で私の姉は小学生の時からクラブチーム。中学、高校、大学とバレーを続けて今は上京してスポーツ業界のメディア関係の仕事をしている。
あたしもバレーがしたいと母にせがんだ時、言われた言葉。
「あんたは体が弱いから、団体競技はやめた方がいいと思う。周りに迷惑かけることも多いし」
母があたしの喘息を心配して言ったのは分かってる。
でもそのころから、迷惑をかけると言う事に人一倍敏感になってる。
体調管理も。体力はついたので通常の運動量なら出ることは無くなった喘息も風邪を引くとたちまち出てくる。
気を引き締めなければ・・・・・。
そう考えながら学校へ向かう永瀬だった。