第18章 鬼畜orチート?
ネザーに落とされたエンドシティは、間違いなくエンドで見掛けるエンドシティそのものだった。
ただ違うのはネザーにあること。そして、エンドシティとはいえエンダーマンがいないということだ。
「エンドシティとはいえ、エンダーマンは湧かないかぁ」とMENはエンドシティをキョロキョロと観察しながら言う。「エンドシップは……あ、あるある!」
これは仕組まれていたのか偶然か。ネザーに突如として現れたエンドシティにはエンダーシップが浮いていたのだ。
MENはシュルカーからの攻撃で体が浮き、落下で一度大きくダメージを削られながらもエンドシップに辿り着いた。
果たして、エリトラは……あった。
「あったぁ!」
MENはウキウキとエリトラを手にした。エンドラ討伐企画ではめったに達成しないエリトラの進捗が画面に表示される。
これで少しは移動が楽になったMENは、エリトラを使って来る時よりも早く青森に戻った。
「やっぱりこれ、チートだわ」
MENは目の前のボートで捕まえたエンダーマンを捌きながらそう言った。コメントの中には、油断するなという人はまだいるが、じゃあ次は花火を作ろうなんて言い出す視聴者たちもいて賑やかだった。
「花火なぁ……あったら楽なんだろうが」
鬼畜世界が急に楽になるとつまらなさを感じてしまうのがMENでもあった。エリトラをもはや外してしまおうかと持ち物欄を開いたり閉じたりしているのが見ている視聴者たちにも伝わったかもしれない。
そうこうしている間にも、容赦なく「アレ」の襲来まで時間は迫っていて。
「とにかく、次のアレ見て考えよう!」
エンダーパールはすでに充分な数が揃ったが、オーバーワールドに戻る時間はない。MENはエンドシティがある方向とは真逆のネザー荒野へ出て自分の周りを囲い、次の「アレ」が来るのを待ち構えた。