第8章 ブレーメンの音楽隊〜それぞれの過去と向き合った今
そういえばユウジが前に話してくれた。家庭が厳しく昔ながらの教えを強制させられていたとのこと。
子供の時に風邪を引いたら寒風摩擦で治るからと言われて上半身裸で外に出て背中をタオルで擦らなければいけなかった時は辛かったと話してくれたことがあった。
その時は風邪が悪化して熱が出たらしい。だから、ユウジは
両親とは距離を置いていて自宅を出てからは会っていないんだと話していた。
他にも食事は残さず食べることを強制的されて、あまりにも量が多い時は吐きそうになったことや、男は泣くなと教えられて来たこと。
「それがさーびっくりしたことがあってさ。この間、友達と映画を見に行ったんだよ。俺は普通に映画を楽しんでいたんだけど、隣の友達が泣いててさ。あっ、男友達だったんだけど、すげーびっくりしたわ。それで、映画を見終わった後にさっき泣いてたねって話したら今は男も女も泣く時代だとか言われてさ。この時に俺の考えが間違っていることに気がついたんだ。それで、映画終わりに近くのファミレスに寄って話を聞いてもらった時に色々とびっくりされたぜ」
「それは驚いたよね。でも昭和の価値観を押し付けられてもね。聞いた話によると育児でも両親と揉める人いるみたいだよ」
僕は相槌を打ちながらそう言った。
「聞いたことあるな。SNSでよく見る育児マンガに書いてあるぜ。俺は考えを直せたから良かったけど、直らない奴はダメだよな」
ユウジが苦笑してそう言った。
そんなことを以前、話してくれたなと思い出しながら、ステージの卒業式ソングを聴いていた。