第22章 カチカチ股2
雷撃に吹き飛ばされ
近くの木に頭をぶつけた私は
すっかり辺りが暗くなってから
意識を取り戻しました。
「……ッ……」
頭の側頭部に鈍い痛みがあります。
そんな側頭部を手で押さえながら
ゆっくり身体を起こすと…
「?」
〈うぅっ....
タヌキさんが雷に打たれたであろう方向から
男性の呻き声が聞こえてきました。
「大変💦」
(きっとあの雷に巻き込まれた人が、
私以外にもいたんだわ💦)
頭が痛くて仕方がないけと
ヨロヨロした足取りで
急いで声の主さんの方に向かいます。
「だ……大丈夫…ですか!!」
ようやく彼のそばにやってきた私。
「怪我はしていなさそうだけど、
きっと身体の内側で何か……」
赤髪のポニーテールをした同い年くらいの男の子が
転がっていました。
「…とにかくこの森…熊もいるみたいだし
お屋敷の中に入らなくちゃ……」
私は男の子の首の後ろに腕を入れ
なんとか上半身を起こします。
(重たい……!?
担げないかも💦)
男の子はいわゆる細マッチョ系で、
筋肉が重たいのか
か細い私の身体では上半身を起こすのが精一杯です。
「ここにいたら危ないから、
お屋敷の中に行かなくちゃいけないのに……」
何度も何度も背負う挑戦をします。