第21章 カチカチ股
一人ぼっちなった私は、
ただひたすら歩いていると
さっきの廃墟群とは違うコンクリートの
西洋風の洋館を発見しました。
(こんな所に…)
私は急ぐ必要はないけど、
小走りでその洋館に向かいます。
(何か食べるものとか、
飲みものとかあるかな!?)
昨晩から食事を摂っていない私は
とてもお腹が空いているし
喉も渇いています。
"バサッバサッ"
洋館を取り囲むように生い茂る草や木を
かき分けながら
やっと洋館の正面入り口に辿り着きました。
「わぁ〜」
正面の入り口はガラスがバリバリに割れているけど、
その高級感は現役で
思わず感激の声が出てしまいました。
「入って良いかな…」
戸惑いながら入り口のノブを掴みます。
そして…
"カチャ"
錆びたドアノブを捻ると
"ギィーーッ"
長らくあけていません的な音を響かせながら、
開きました。