第10章 ミイラ取りがミイラを取らなかった
沙汰郎
「口が悪りぃーのは飼い主似でィ!!
文句あんなら墨に言え!!!
ションベンは大切なマーキングだ
いちいち謝ってられっか!!
なんだ?じゃあ、電信柱の横に
人間が立ってたとする!!
俺はかけないように
目視で発射するが人間の足にかかっちまった…
これはどっちが悪い?」
「沙汰郎くんよ!」
沙汰郎
「明らかに人間が悪りぃだろうよ!!
俺たちはな必ずションベンする前に
グルグル狂ったように回るんだよ!!
それが退け!危ねえぞィ!って忠告なのに
気づこうともしねぇー。
だから明らかに人間が悪りぃんだ!!」
「わたし、目を閉じていたから
気付けなかったし…
ひと言声をかけてくれたら良かったんじゃない?」
沙汰郎
「あ……いや……ちげぇー悪いのは……」
沙汰くんは"何か"の矛盾に気づけたらしく、
突然、耳をたたみアタフタし始めます。
「悪いのは沙汰郎くんよ。」
沙汰郎
「…!!…」