第11章 この最低男
部屋から溢れる悟の匂いと、悟が与える快楽に頭が痺れた。
「ああっ悟っもっと吸って…っ。」
もうその情欲を隠す事なく悟に伝える。
まるであの時の夜の様だった。
悟の指が中に入り、クリトリスを舐められながら気持ちのいい部分を押される様に動かされる。
しずくは大きく体を反って、やっと味わえる絶頂に身体を任せた。
「あっ…はっ…はぁ…はぁ…。」
一回の絶頂だけだは全然満足出来ない。
まだ疼く自分の体に、 しずくは顔を顰めた。
一体どんな薬を盛られたのか。
再び悟に対する怒りを覚えるくらいは、体の熱が冷めた。
「…はぁ… しずく…七海でイッたの?」
ペロッと口周りに付いている しずくの愛液を舐めながら、悟は聞いた。
悟の匂いで、その舌で達したなんて答えたく無かった。
「…悟…まだ足りない……取ってよ…。」
しずくはジャラッと手首にある手錠を悟に見せた。