第55章 2024年4月5日
雄介さんは動物園は…デートで
行きたいとこっちが言っても
動物園は臭い…と言って、
行きたがらない感じのタイプだったしな。
この観覧車に乗ってると…、
小学生の頃を思い出すなって。
そんな事を考えて懐かしんでたから。
彼も彼で…その頃の記憶が蘇って来て
王子動物園……の動物園の方も
行きたいなって思ったのかなって。
そんなに高さのある
観覧車じゃないけど。
さっき乗った乗り物が足元に見えていて。
『あっちのふたりも…
今頃…そんな話をしてるかもですね?』
「うん…そうかもね…。
地元の…人に…親しまれて
愛され続けてる動物園だから…」
『じゃあ、明日のデートは…
王子動物園で良いですか?』
そんな話を…彼としてる間に
観覧車は地上に戻って来て居て。
桜の通り抜けだけなら20分程度
なのだが、遊園地ですっかり
楽しんでしまっていた。
王子動物園のある…灘からは
JRなら神戸の中心地である
三宮へは電車で1駅の距離だ。
車を駐車していた場所まで戻って、
4人で三宮に向かった。
地下鉄の西神山手線の
三宮駅からほど近い場所にある、
大衆酒場ひとめぼれに向かった。
店舗の2階には2人用の小さな
個室から、団体様の30名まで
収容する事が出来る個室もある様で。
お店は…ネオンギラギラの
昭和チックな感じで。
兵庫の地名が書いた提灯があって。
ついつい垂水の提灯を探してしまっていた。
2階にある個室は…下の
がやがやとした雰囲気とは違って居て。
落ち着いてお酒を飲む事が出来そうだった。
4人用の個室と2時間の飲み放題付きの
コースを予約してくれていたようで。
気になる物があれば…メニューから
なんでも頼んで貰って良いですよと
港斗君がメニューを
私に見やすいように広げて見せてくれて。
お肉のメニューが…割と豊富で
美味しそうな零れ寿司もあって。
何を頼もうか悩んでしまう。
お肉と…うにが一緒に巻き寿司になってる
うにく巻き…が美味しかった…。
その後は…2人とは別れて。
歩いて10分程の場所にある
ラブホテルに彼と一緒に向かった。