第44章 Wデート 新世界
スパワールドの外に出ると、
そこで港斗君が待っていてくれて。
持っていた荷物を持ちますねと
こっちが水着とかで
いつもより荷物が多かったから
大丈夫って言うよりも先に
彼が持ってたショルダーバック
を持って行ってしまって。
ありがとうと…お礼を言った。
『折角…大阪に来たんですし…
新世界も…楽しみましょうよ』
スパワールドの奥側の階段から
下に降りるとすぐそこは新世界だ。
大阪らしいゴテゴテとした
ド派手な看板を掲げたいかにもって
感じがするお店が軒を連ねる。
周囲を見渡して気が付いたのだが
若い20代ぐらいの女性客が多い。
『今、新世界はお洒落なお店が
増えて来てて、若い女の子多いんですよ?』
大阪新世界…ジャンジャン横丁で
おじさんが昼間から飲んだくれてる
って言うのはふた昔ほど前の
イメージの様で…。
スイーツのお店とか…もあるみたい。
『あれ!あれ、凄いです!
あんなの売ってるお店あるんですか?』
若い女の子が手に持ってる
カプリコの上にそびえ立つ
ベビーカステラを見て
葵があれあれと言って居て。
そのベビーカステラと
一緒にカメラで通天閣をバックに
記念撮影をしていた。
『さ、とりあえず…
まずは、新世界と言えば…
ビリケンさんですよね?』
『足の裏撫でると…幸せになれるやつ?
通天閣の中に居るんじゃ…』
港斗の言葉に小林が答えて。
『そうそう、そこのビリケンさんが
有名なんですけど、他にもビリケンさんが
お祀りされてる神社がここですよ。
その名もビリケン神社です』
まんま…と思いながら。
周囲を見渡すと
看板にビリケンさんが居たりとか
ベンチに座ってたりとかして。
ビリケンさんを探せ状態なんだけども。
その小さな神社には人だかりが
出来ていて人気のスポットの様だった。
ビリケンさんが祀られているだけの
小さな神社でお参りをして
箱の中から100円を入れて
おみくじを引いて。
おみくじを括ってビリケン神社を後にした。
『新世界と言えば…やっぱり』
「有名なのは…串カツだるま?」
新世界グルメと言えば
ド定番なのは串カツで
ソースの2度つけ厳禁…なのだが。